喫茶みずのみば|新潟市西区内野町

新潟市西区内野町の民家の中にある小さな喫茶店です。

【日報】2024年12月3日(火)

雨、12度。

オープンしてから7時間、お客なし。お掃除したり、本を並べ替えたり、ぼーっとしたり。じつは1日(日)に衝撃的なニュース(!)を聞かされてから、心がざわざわと落ち着かない日々。どんなニュースかは、ぜひお店に来て尋ねてください。この日以降に来たお客さんにはお話してます。まだはっきりとしたことが分からないのでブログやSNSには書きません。

16時半くらいにやっと一人目のお客さんが。すぐそばでやっている工事の音の影響で、お客さんが入ってこられた時の音に気がつけないことが最近はよくあります。玄関を開けた音に気づかず、みずのみばの部屋の戸を開けられて声を掛けられた時にやっと気づくという。申し訳ないです。

このあともう2人増えて19時まで。この日は19時からお隣の毎日元日アイロニー演芸場にて「女医会」という月に一度の落語会の日。みなさん、ハシゴするために夕方の遅い時間にみずのみばに来てくださったようでした。ありがとうございます。

前回の営業、11月30日にレイアウト変更をしました(詳しくは前回の記事を参照!)。30日に新レイアウトでやってみた感想は個人的にいろいろあるのですが、「自分に注目が集まりすぎて緊張する」というのが一つありました。営業中、カウンター(腰くらいの高さ、幅50cmくらい)の内側がこれまでの私の基本的な立ち位置でした。しかし新しいレイアウトでいつもの立ち位置に立つと、なんだか落ち着かないのです。新しいレイアウトは擬似カウンターのような席なので、お客さんの体の向きも基本的にこちら(店主)側を向いています。そんな状況で私が喋ったり何らかのアクションを起こしたりすると、お客さんの目線は一斉にこちらに集まります。あるお客さんは「ナイチンゲールさん(←店主のこと)の舞台みたいですね」とおっしゃいました。まさにそう。大げさに表現すると、舞台に立つ役者になった気分。目線だけ向けられるよりも、目線と体、両方を向けられると一気に「舞台度」が上がります。映画やコンサートを観に行く時、体を横向きに、目線だけをスクリーンないしステージに向けることはないですよね。体と目線、どちらも向けるはず。それとおんなじ。舞台度が上がった結果、昔L字型のバーに立っていた時の緊張感を思い出しました。当時「このカウンターの中は舞台だ」という意識で、立ち振る舞いを常に考えながら動いていました。しかし、みずのみばのカウンター内に舞台っぽさが必要かどうかを考えると、答えは「常に必要ではない」。サイフォンでコーヒーを淹れる時は舞台だと思ってやっておりますが(かっこいいので!)、それ以外の場面では舞台っぽさはあまり必要ない。舞台っぽさの何が問題かというと、先述した「自分に注目が集まりすぎて緊張する」こと。つまり私が緊張しすぎてしまうのです。お店にいる間、店主もお客さんもある程度の緊張感は必要だと思いますが、緊張のしすぎはあまり良くない。相手の緊張ってなんとなく伝わってきます。特にみずのみばは小さな空間ですから、私の緊張もお客さんに伝わってしまいます。緊張感があまりにも充満すると、飲み物を飲んで一息つくという、喫茶店としての重要な機能が働かなくなってしまうのです。だから店主たる私は、堂々としながらもほどよく力の抜けた状態でいることが望ましいです。

そこで私の緊張を緩和すべく、30日の模様替えからまたさらに微調整を加えました(微調整の話をしたかっただけなのに前置きが長くなってしまいました)。細かいことを省略して簡単に言うと、自分が座る用の椅子を置きました。これまで営業中はずっと立っていたのですが、今後は基本的に座ることにしようかなと。座るとお客さんと目線の高さがほぼ同じになり、なんとなく対等なイメージに近づきます。高いところから低いところに言葉を放つと、なんだか学校の先生っぽくて対等な感じがありません。対等でないと感じながらのコミュニケーションは緊張感が生まれやすいと個人的には思います。また私の椅子の前に茶色いテーブルを置き、テーブルの上には本や雑貨をたくさん並べました。物を置くことで、私とお客さんとの間にちょっとした壁を作ったのです。これがあるのとないのとでは雲泥の差。目線を逃がす時にとても有効です、お互いに。やったことは本当に些細なことなのですが、明らかに「良くなったな」と思っております。初めての方も、そうでない方もぜひ”今”のみずのみばを体感してほしいなと思います。お待ちしております。